清水克行さんの『室町は今日もハードボイルド』(新潮社)を読む。
清水さんは歴史学者、専門は日本中世史。
日本の中世史(平安時代後期~戦国時代)の人々の「常識」は、現代に生きる我々とは全く違う。それは外国といってもいいほどだ。
この本は、そんな中世に生きる人々と中世社会を興味深く伝えてくれる。
「多様性」「やられたらやり返す」「人身売買は珍しくなかった」「モノには所有者の魂が乗り移っている」「うわなり打ち」「荘園は聖なる場所であった」など、現代人にとって中世社会は驚くことばかりである。
清水さんは「週刊文春」にエッセイを連載されていて、その中で学生の頃はエッセイストになりたかったと書かれていた。
そんな方なので、文章が読みやすく、おもしろく、複雑で難解な中世史もとてもよく理解できるのだ。
清水さんのおかげで、日本中世史がちょっとしたマイブームになっている。